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[健康]•8 分で読める

BMIでは分からないことと、基礎代謝量(BMR)の正しい理解

1. BMIは何を測っているのか


BMI(体格指数)は体重を身長の2乗で割った値です。

BMI = 体重(kg) ÷ (身長(m) × 身長(m))

身長170cm・体重65kgなら、65 ÷ (1.7 × 1.7) = 22.5となります。

BMIは1830年代に統計学者アドルフ・ケトレーが集団の体格分布を記述するために考案した指標です。個人の健康状態を診断するために作られたものではない、という出自が限界の大半を説明します。

2. 判定基準は1つではない


同じBMI 25でも、どの基準を使うかで解釈が変わります。

  • WHO国際基準:18.5未満 低体重 / 18.5〜24.9 普通 / 25〜29.9 過体重 / 30以上 肥満

  • アジア太平洋基準:18.5未満 低体重 / 18.5〜22.9 普通 / 23〜24.9 肥満前段階 / 25以上 肥満


  • アジア太平洋でより低い基準を用いるのは、同じBMIでもアジア系は体脂肪率が相対的に高く、代謝疾患のリスクが早期に上昇するという知見に基づきます。韓国の健康診断結果はおおむねアジア太平洋基準に従います。国内の結果票と海外サイトの判定が食い違う理由がここにあります。

    3. BMIが見落とすもの


  • 筋肉と脂肪を区別できません。 筋肉量の多いアスリートは体脂肪率が低くても過体重・肥満に分類されることがあります。

  • 脂肪がどこに付いているかを示しません。 内臓脂肪は皮下脂肪より代謝リスクとの関連が強いため、腹囲やウエスト・ヒップ比を併せて見ます。

  • 年齢と性別を反映しません。 同じBMIでも加齢とともに体脂肪率は上がる傾向があります。

  • 極端な身長では歪みます。 2乗という仮定は分布の中央付近でよく当てはまり、両端では精度が落ちます。


  • BMIはスクリーニング指標であって診断ツールではありません。基準を外れた値は「さらに調べる必要がある」という合図であり、結論ではありません。

    4. 基礎代謝量(BMR)とTDEE


    BMRは完全な安静状態で生命維持だけに使われる最小エネルギーです。広く使われるミフリン・セントジョール式は次のとおりです。

  • 男性:10 × 体重(kg) + 6.25 × 身長(cm) − 5 × 年齢 + 5

  • 女性:10 × 体重(kg) + 6.25 × 身長(cm) − 5 × 年齢 − 161


  • TDEEはこれに活動係数を掛けた1日の総消費エネルギーです。

  • ほとんど運動しない:× 1.2

  • 週1〜3回の軽い運動:× 1.375

  • 週3〜5回の中強度:× 1.55

  • 週6〜7回の高強度:× 1.725

  • 肉体労働または1日2回のトレーニング:× 1.9


  • 5. 想定される誤差


    ミフリン・セントジョール式は予測式の中では誤差が小さいほうですが、個人差を完全には反映できません。身長・体重・年齢が同じでも、体組成や甲状腺機能によって実際のBMRはかなり異なります。計算結果は出発点とし、2〜4週間の体重変化を見ながら調整するのが実用的です。

    6. 「代謝を上げる」の実際


  • 筋肉量の増加には効果がありますが、一般に語られるほど劇的ではありません。筋肉1kgが1日に追加で消費するのは約13kcal程度と報告されています。筋力トレーニングの価値はBMRの上昇そのものより、運動中・運動後の消費と体組成の改善にあります。

  • たんぱく質の摂取は食事誘発性熱産生(TEF)が糖質・脂質より高く、総消費に寄与します。

  • 極端な低カロリー食はむしろ代謝適応を招き、消費を下げることがあります。


  • 7. 計算機の活用


    EVEDAYS 健康計算機はBMI・BMR・TDEEを1画面で計算します。入力値はブラウザ内でのみ処理され、サーバーへ送信されません。

    8. 出典と免責事項


  • WHO — Obesity and overweight

  • WHO — Body mass index

  • 疾病管理庁 国家健康情報ポータル

  • Mifflin MD ほか, *A new predictive equation for resting energy expenditure in healthy individuals*, American Journal of Clinical Nutrition, 1990


  • 本記事および計算結果は健康情報の参考であり、医学的な診断や治療の推奨ではありません。体重管理・食事の変更・疾患の管理が必要な場合は、医師または管理栄養士にご相談ください。
    EVEDAYS Editorial Team